G Suiteとキャッチオール機能
G Suiteは独自ドメインでGoogleサービスを利用できるもの。代表的な機能としてはGmailで、G Suite管理画面から払い出したアカウント毎に独自ドメインで利用可能なGoogleアカウントが作成される。
そのため通常には通常のメールアドレスと同じく一つの受信先のメールのみ利用できる(別途受信用にエイリアスを指定することは可能)が、自分のドメイン宛の他のメールアドレス(存在しないアカウント)宛に送られたメールについても受信設定をすることが可能である。これをキャッチオール機能という。これはメールシステムによってサポートされていなかったりもするが、G Suiteでもこれを設定し、受信することができる。
G Suiteでは、存在しているメールアドレス以外の、存在しないメールアドレス宛のメールを設定できることはもちろん、存在しているメールアドレス宛のものも設定できる。
後者は組織で監査目的などで設定し、別途監視する、ということも可能ではある。
使用するドメインについて
さて、今回試用する中古ドメインは、中古といっても期限が切れたものをすぐに新規で取得したもので、ドメインオークションサイトなどで出品されていたものを入手したとか、前の所有者から直接譲渡された、というわけではない。ファーストオーナーではないことが分かりきった上でこれを設定するのもなかなかイヤラシいが、はたしてどんなメールが来るのか少々興味があった。
中古ドメインの過去について
ちなみに今回購入したドメインは2つ(それぞれドメインA、ドメインBとする)ある。どちらもJPドメインであるが、直近でどのような利用のされ方をしていたのかもWebArchiveを利用して軽く調べてみた。ドメインAは特にめぼしい情報が無かった。強いて言えばSEDOのドメイン売買ページがホストされていたり、手作りのドメイン販売ページが置かれていた程度である。元々売買用に確保されていたらしく、それ以外の情報が出てくることはなかった。
ドメインBについてはWeb制作会社のページだったようだが、購入直前の時には情報もほぼ更新されていない様子だった。
G Suiteでのキャッチオール設定
前置きが長くなったが、G Suiteでキャッチオール設定を行うには下記の手順で行う。もちろんG Suiteの管理者権限を必要とするので予め管理者アカウントを用意する必要がある。設定方法は公式でもアナウンスされている。
G Suiteの設定
G Suiteのアプリ一覧からGmailを選択
画面中程にあるデフォルトの転送から、設定を追加をクリック
一致するエンベロープ受信者の設定をすべての受信者を指定。ヘッダーについてはお好みで。
さらに下に進み、エンベロープ受信者を変更から、メールを転送する宛先を指定する。
今回は別途catch-allというアカウントを作成し、そこに向けるようにした。
@存在するドメインの部分はG Suiteに紐付けられているドメインになる。
さらに、アプリ > G Suite > Gmail > Gmailの設定 > 詳細設定の画面下部にある転送からキャッチオールアドレスの設定を行う。
ここまでしないと、エラーメールとして処理される。
動作確認
まったく別のアカウントから存在しないアカウント宛にメールを送ってみる。すると先ほど設定した catch-all@ドメイン のアカウントで受信することができた。
キャッチオール機能で受信できたメールについて
ドメインA宛には、いくつか個人が利用していたようなアカウント宛にメールが来ていた。実際に現在も利用しているアカウントに紐付いて居るようで、Amazonの注文メールまで確認できた。
ドメインBはなぜか個人で利用と言うより、捨てアドレスとして使われていたようなランダムな文字列宛のメールをいくつか受信した。
その中にはウェブサービスの登録者向けメールもあったが、中には銀行の振り込み確認メールまであった。
後者ドメイン宛に来たメールには現在のところ個人情報を含むものは存在しなかった。銀行からの振込メールには取引番号と、個別の問い合わせ用番号程度の情報しか含まれていないため、そこから何かを特定することはできない。
しかし、前者ドメインに届いたAmazonの注文確認メール内には、注文者の個人名や配送先の住所など個人情報が含まれており、問題を感じた。
これについては別途Amazonに問い合わせの連絡を行い、以後メールが送られてこないよう対応してもらった。